ギシャンダ養殖場は、ルワンダ東部のアカゲラ国立公園地域で、持続可能な食糧生産を加速させるイノベーションとスキルを導入する、新しい社会経済的水産養殖開発イニシアチブです。周辺地域の雇用機会を創出するとともに、地元産のタンパク質を入手しやすくすることを目的として、2022年10月に開設されました。
オランダ企業庁(RVO)とスクレッティング、ニュートレコの親会社であるSHVが支援・共同出資するこの触媒的パートナーシッププロジェクトは、自然保護団体アカゲラ国立公園と官民イニシアチブFoodTechAfrica(フードテックアフリカ)が発案したものです。
「自然保護団体が養魚場を建設・運営するのは異例と言えるかもしれません。しかし、私たちAfrican Parks(アフリカンパークス)の目標は、コミュニティと保護地域の双方に持続可能な財産を残すことです。このプロジェクトは、持続可能な土地利用、生物多様性の保全、コミュニティの生活向上に取り組んでいます」とアカゲラ国立公園パークマネージャーLadis Ndahiriwe氏は述べています。
アカゲラ国立公園のメインゲートから6マイルの場所に位置するギシャンダは、最新の閉鎖循環式養殖システム(RAS)とソーラー技術を活用し、持続可能な方法で魚を養殖して出荷します。
この施設は、ナマズ生産が地域にとって身近なタンパク質の選択肢であり、必要な栄養価の高い食糧を生産するだけでなく、ティラピアの養殖から出る排水が敷地内の有機野菜畑を肥やす、循環型農業のモデルとして機能することを実証します。
ルワンダの養殖セクターを強化するために、年間100万匹のティラピア幼魚を商業販売し、さらに30万~40万匹を地域の湖に放流することで、地元に根付いたタンパク源と国家規模の経済成長を生み出すと見込んでいます。
長期的には、高品質のティラピア幼魚の生産と並行して、ギシャンダは年間30トンもの350~500グラムの市場向けティラピアを生産する予定です。そのうちの10%以上は、地元の栄養不足を解消するために、手頃な価格で地元に供給される予定です。
このプロジェクトの中核を成すのはトレーニングとスキルアップであり、ギシャンダが養殖セクターの全国的な学習拠点となることを目指しています
このために教育機関、政府機関、民間企業と提携し、国内の養殖産業の成長に伴う技術のギャップに対処していきます。
地域住民に家庭レベルでのナマズ養殖を指導するために、ナマズ養殖用の実証養殖池を3つ建設しました。さらに、栄養補給と事業目的でのナマズ養殖を発展させるために、養殖池で使用する用具(ライニング)とサポートを地域住民に提供する予定です。
また、ルワンダの有機養殖の専門家と提携し、持続可能な養殖の方法を地元の生産者に教えるための実証養殖場を開発する予定です。
同養殖場は、実行可能で持続可能な事業の開発のために、技術面、販売面、財務面から実践的なトレーニングの恩恵を受けられるよう、選ばれたコミュニティの共同事業に対して事業用としても提供されます。
ニュートレコ中東およびアフリカは、ギシャンダのすべての養殖活動において、主要なスポンサーおよび飼料パートナーとしての役割を果たしています。ギシャンダはルワンダで2番目の養魚場です。2019年に開催されたFoodTechAfricaを通じてビュジュスラに「レイクサイド養魚場」が開発・開設されました。