Skretting Sustainability Report 2022

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新規原料

特に激動の時代において、調達チームが優先すべきことは入手可能性です。つまり、適切な栄養素を適切な場所で入手し、お客様に途切れることなく供給できるようにすることです。

商品価格が高止まりする中、当社はリスクを分散しコストを抑えるために、代替原料や代替サプライヤーに注目しています。このため、いくつかの新規素材の競争力が高まる機会が生まれました。

2022年には新規原料の重要な進展があり、その含有率が購入原料全体の0.064%から1%に増加しました。

これは、藻類やオメガ3キャノーラ油などのオメガ3代替油の使用量が増加したことによるものです。これらの油のいくつかは現在市販されており、当社のほとんどの飼料事業で使用されています。ソラ豆のでん粉や濃縮トウモロコシタンパクなどの新規植物原料の導入が追い風となり、飼料業界向けに開発されたこれらの製品が養殖用飼料に採用されていることを嬉しく思っています。

スクレッティングは、新規の市場機会に常に焦点を当てることによってのみ、この進歩を達成することができました。当社は、グローバル調達、品質保証、研究開発のリソースをフルに活用し、何よりもまずフットプリントが低く価格が適正な原料を重視するという、当社の新たな戦略に適合する原料を特定、開発、導入しています。

新規原料素材の商業規模への展開

サステナブルな養殖飼料のイノベーションを促進するためには、スタートアップ企業と大企業のコラボレーションが鍵となります。大企業は規模拡大や魚介類の栄養に関する何十年もの経験をもたらし、スタートアップ企業は大企業がサステナブルな新製品を開発するのを支援します。

これはまさに、スクレッティングとのコラボレーションで起こったことです。eniferBioは、「2020 Nutreco Feed & Food Tech Challenge」で優勝した後、PEKILO®のシングルセルタンパク質をサーモン用飼料で検証することに関して、幸先の良いスタートを切りました。その賞品はサーモンの消化率試験でした。この試験で、PEKILO®のタンパク質消化率が魚粉の消化率に匹敵することが証明されました。

スクレッティングのチームとの交流はまさに素晴らしいもので、今後のさらにそのなるハイライト成果が出るのを楽しみにしています。
Heikki Keskitalo, Co-founder, EniferBio

しかし、PEKILO®タンパク質の生産規模を拡大することは、15年にわたる産業規模での運用実績があるため、非常に簡単です。

eniferBioのような新興企業にとっての最大の課題は、原料メーカーの保守的なパートナーに納得してもらい、手を組んでもらうことです。eniferBioは、PEKILO®の生産に適した最大の原料ベースを持つバイオエタノール産業に大きな焦点を当ててきました。

このオフテイク契約により、最初のPEKILO®生産工場への投資決定が大幅に早まり、後に続く生産工場にとって重要な参考事例となることでしょう。例えば、ヨーロッパ最大のバイオエタノール工場は、年間5億リットル以上のエタノールを生産しています。このような工場から出る蒸留残渣だけで50,000トンのPEKILO®タンパク質を生産することができ、ノルウェーの養殖やスクレッティングの規模でもかなりのインパクトを与えることができます。これは、ヨーロッパにおけるサステナブルな循環型経済の代表的な例であり、土地利用にも良い影響を与えるでしょう。

eniferBioは、これまでのスクレッティングとのコラボレーションに非常に満足しています。スクレッティングのチームとの交流はまさに素晴らしいもので、今後さらにその成果が出るのを楽しみにしています。

水産養殖の未来にイノベーションの種をまく

Nuseedは、種子開発のグローバルリーダーです。2006年にオーストラリアで創設されたNuseedは、サステナブルな種子、エネルギー、栄養のために植物の力を培う目的で、ヨーロッパとアメリカ大陸に進出しました。

Aquaterra® Advanced Omega-3は、この革新的なイノベーションに取り組んできた成果です。Nuseedは、世界で初めてDHAとEPAの供給源となるキャノーラベースの原料を開発しました。海から供給されるオメガ3オイルの量と、魚介類の健康をサポートするために養殖で必要とされる量の間には、ギャップがあります。過去20年間、生産量の増加に伴い、これらの必須栄養素の飼料配合率は低下しています。しかし、研究によると、魚介類の健康や切り身の栄養を高めるのに、オメガ3含有量が多いことが有益であることが示されています。

わずか1~2ヘクタールのNuseed Omega-3 Canolaから、1万キロの天然魚油に匹敵する量のDHAを生産できます
Katrina Benedicto, Sustainability & Marketing Director, Nuseed Nutritional

United Nations Sustainable Ocean Coalitionは、人口増加によるタンパク質需要を満たすには天然魚の繁殖が追いつかないため、2050年までに海産物の生産量を6倍に増やすよう養殖業に呼びかけています。長鎖脂肪酸の新しい供給源は、海洋資源を圧迫することなくビジネスを拡大するために不可欠です。

サステナブルな食糧生産をリードする立場として、Aquaterra®はスクレッティングの目標や価値観とぴったり一致しています。わずか1~2ヘクタールのNuseed Omega-3 Canolaから、1万キロの天然魚油に匹敵する量のDHAを生産できます。この作物は、既存のキャノーラ生産面積の5%未満で、長鎖脂肪酸の供給量を現在の2倍にすることができます。新規原料にとって重要な課題は、有効性を証明し、市場参入を果たすことです。スクレッティングは、商業規模での生産に入る前にこの油の品質を試験・検証し、FFDRoやGHGなどの主要なサステナビリティ指標を改善しながら、オメガ3の総量を増やすための最適な配合について助言することにより、Aquaterra®をサーモン用飼料に導入する上で重要なパートナーとなっています

2020年の商用展開以降、Aquaterra®は、スクレッティングのチリおよびカナダの事業において、天然魚由来の魚油への依存を減らすための重要なツールとなっています。Nuseedがさらなるサーモン生産市場で規制当局の承認を得ることで、このパートナーシップは今後も拡大していくでしょう。

Next: 協働による進化

継続的な改善とサステナブルフードの未来が直面する複雑な問題への対応に正しく焦点を合わせ、労力を投資するための鍵となるのは、社内外のステークホルダーとの関わりです。

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