スクレッティングと国連持続可能な開発目標(SDGs)
2015年、国連は新たな持続可能な開発アジェンダの一環として、貧困をなくし、地球を守り、すべての人に繁栄をもたらすための17の持続可能な開発目標(SDGs)を導入しました。各目標には、2030年までに達成すべき具体的なターゲットが設定されています。この目標を達成するためには、政府、民間企業、市民社会、そしてこのリポートの読者のような活動的な人々など、すべての人が役割を果たす必要があります。人と地球をつなぐ重要な存在である持続可能な食料システムは、単に飢餓をなくすためだけのものではありません。さらに、私たちが直面している課題は、地球が直面している広範な課題の重要な側面であり、ある意味では他の課題よりも直接的ではありますが、食品業界は17のSDGsすべてにおいて重要な進展を達成するためのインパクトを与える可能性があります。
持続可能な開発目標に対する企業の影響力
国際協力開発機構(OECD)によると、食の安全保障は SDG2(飢餓をゼロに)と SDG3(すべての人に健康と福祉を)にリンクしています。生活や農村開発の問題は SDG1(貧困をなくそう)と SDG6(安全な水とトイレを世界中に)、SDG10(人や国の不平等をなくそう)に盛り込まれています。持続可能な資源利用と気候変動の緩和に関連するのは SDG12(つくる責任つかう責任)、SDG13(気候変動に具体的な対策を)、SDG14(海の豊かさを守ろう)とSDG15(陸の豊かさも守ろう)です。教育や設備、ジェンダー平等など上記以外の SDGs も、食物システムに掲げられた課題をクリアするうえで重要となります。
公的機関と民間企業が密に連携してきたことにより大きな進歩が成し遂げられていますが、国連グローバル コンパクトの報告によると、大半の企業の会社目的とガバナンス、戦略の統一の点では未だ不十分です。過去数十年間の取り組みをもとに、未達成の課題に注目して各産業固有の目標を定めた「行動の 10年(Decade of Action)」として、持続可能な開発目標の達成までに残されたわずか 10 年間にいっそう注力する必要があるのです。
このイニシアティブに関わっている会社の 84%はSDGs を促進する行動に取り組んでいますが、2030年までに SDGs の達成が可能だと答えたのは、わずか 29%の企業です。
SDGs を優先課題と位置付けている企業をみると、 SDGs の項目に優先順位を設けることと実際の活動に相関関係があります。
企業がSDGsに優先順位をつける場合、企業が適用する優先順位と行動のレベルには相関関係があるようです。しかし、特定のSDGsに優先順位をつける企業の数は依然として少ない。これには、貧困と生活水準に関するもの(目標1:無貧困、目標2:飢餓ゼロ、目標6:清潔な水と衛生)や、環境への影響に関するもの(目標14:陸地での生活、目標15:水の下での生活)が含まれます。
多くの分野で、当社のサステナビリティプログラムはSDGsと密接に連携しています。しかし、「Feeding the Future」という当社のパーパスと水産業界における当社の立場から、当社には、今日の企業が最も優先順位を下げている2つの目標、すなわち「飢餓ゼロ」と「水の下の生活」の達成に大きく貢献する機会と責任があります。
本レポートでは、SDGsの達成に向けた当社の貢献を紹介します。