森林伐採
スクレッティングでは、森林破壊に関与していない一次生産者によって作られた植物原料のみを仕入れ、脆弱な生態系や絶滅危惧種の保護に貢献したいと考えています。具体的に、当社の調達チームには、どのように植物原料が生産されたのかについての基準を含む、明確な「調達ガイドライン」が求められています。
このような基準をまとめるのは簡単ではありませんし、実際に、森林とは何か、森林破壊とは何かを定義することも、複雑性を孕んでいます。なぜなら、森林には様々な形態があり、構成要素、生物物理的特性、動植物の多様性など、様々な特性を持つものだからです。
また、「森林破壊ゼロ」と一口にいっても、「ゼロ デフォレステーション」と「ゼロ ネット デフォレステーション」の2つの考え方があります。「ゼロ デフォレステーション」とは、森林地帯の開拓や転換を一切行わないことを意味し、「ゼロ ネット デフォレステーション」とは、森林を同じ面積の別の場所に植え替える場合に限り森林開拓や転換が認められることを意味しています。
何が森林で、何が森林破壊なのかを定義するのは複雑です。森林は次のような点で多様です。
森林伐採
多くの企業が森林破壊の問題に向き合っていますが、これら企業の企業方針で示されているのは、森林伐採に対するアクション以上の取り組みです。森林破壊以外の生産活動に関わる重要な要素についても言及しています。例えば、保全価値の高い(HCV)地域の伐採を行わないこと、先住民族の土地の権利を尊重すること、地元コミュニティに事前の状況説明をきちんと行い、金銭を絡めない形で同意を得ること、強制労働や奴隷労働を行わないこと、生産プロセスや実践について透明性を担保することなどが挙げられます。
多くの場合、一定の条件の下での森林伐採は政府によって法律で認められています。このような場合、企業としては「調達ガイドライン」を法的な基準よりも高く設定すべきか、また、設定する場合にはどのように基準を定義すべきか、という問題が生じます。
さらに問題を悪化させているのは、数限りない現実的な問題で、これは加工バリューチェーンが様々な基準を満たすことを阻んでいます。
もう一つ検討すべき点は、バリューチェーンのどこまでスクレッティングは責任を持ち、要求事項の遵守を求めていけるのか、いくべきなのか、という点です。
他に方策があるにもかかわらず森林伐採を続けることは、今の社会において正当化できません。何世紀にも渡って森林伐採を積極的に行ってきた先進国が、今経済を発展させようとしている新興国に対しそれを止めるように求める資格があるのか。非常に真っ当な倫理的議論で、簡単に答えの出ない問題です。