スクレッティング125年の歴史

スタバンガ―の農材店「スクレッティング」

ノルウェー西海岸の小さな家族経営から養殖業の世界的リーダーへと成長したスクレッティングの125年の物語は、開放的、適応性、イノベーションに彩られています。

近代水産養殖の夜明け

スクレッティングファミリーの会社は、スタバンガ―で農業用の機器サプライヤーとしてスタートしました。1960年代にノルウェーで商業的な魚類養殖部門が誕生すると、スクレッティング社は魚類用飼料の製造を開始しました。その成功は、当時木製のケージで飼育されていた2匹のマスの生存によって証明されました。1983年には、スクレッティング社は世界で初めて、ゆっくりと沈む魚用飼料に飼料押出成形を採用しました。

1960年代、ノルウェーでマスによる最初の試験
1960年代、ノルウェーでマスによる最初の試験
オペレーター
ノルウェー2019年エクストルーダーの調整

農業のルーツを捨てて 

スクレッティング社が今日の姿に成長するまでの道のりには、困難がつきものでした。1980年代の初め、成長のための資本が必要となり、スクレッティング社の株式の50%はBP社に売却されました。BP社はBPニュートリション社とトラウ・インターナショナル社を通じて飼料を生産していました。

約10年を過ぎる頃には、過剰生産、魚病、停滞により、スクレッティング社は十分な利益を上げることができず、抜本的な対策が必要となりました。そのため、農業部門はノルウェーの「宿敵」であるFelleskjøpet社に売却されました。スクレッティング一家にとって、これは苦渋の決断でした。1990年までに、スクレッティング社は農業のルーツを離れ、純粋に養殖業に専念することになりました。

スクレッティング北米トゥーイル
スクレッティング北米トゥーイル
1990年台スクレッティング北米 ISO認証
1990年台スクレッティング北米 ISO認証

ニュートレコの傘下に 

1970年代を通じて、BPニュートリションは、現在のフランス、スペイン、イタリア、トルコのスクレッティング事業を含む、ヨーロッパ各地の動物飼料および水産養殖会社を幅広く買収しました。

フランスの動物飼料事業は1953年に始まり、70年代初めには養殖用飼料の生産へと多角化しました。1994年にはスクレッティングフランスとなり、現在ではライフスタート飼料の開発と製造におけるパイオニアとなっています。スクレッティングイタリアの始まりは70年台に遡ります。現在では、品質、サービス、革新的なソリューションを提供する信頼できるパートナーを求める養殖業者にとって、市場のリーダーであり、ベンチマークとなっています。スペインの事業は1985年に始まり、1990年には養魚用飼料のスペイン市場のリーダーとなり、2004年にはスクレッティング・エスパーニャとなりました。

北米におけるスクレッティングカナダ(旧ムーア・クラーク社)の起源は、1949年のクラーク社と1959年のムーア社の設立にさかのぼります。この2社は1969年に合併してムーアクラーク社を設立し、1986年にBPニュートリション社に買収され、魚類栄養の専門家の世界的ネットワークを利用できるようになりました。同年、ムーアクラーク社は北米初の養魚飼料用エクストルーダーを設置し、そのパイオニア精神を示しました。

1994年のBPニュートリション社のマネジメント・バイアウトにより、ニュートレコは誕生しました。世界最大の水産養殖会社となり、ヨーロッパ(そして今日では世界)をリードする動物飼料メーカーとなりました。2003年、スクレッティングは、ニュートレコの全ての養魚飼料事業を担当するグローバル企業となりました。

2005年日本、伊万里工場の始動
2005年日本、伊万里工場の始動
2023年スクレッティングチャイナオフィス
2023年スクレッティングチャイナオフィス

継続的な拡大

私たちの世界各地の事業は、新技術の開拓、特殊飼料の開発、市場ニーズへの対応において極めて重要な役割を果たしてきました。

現在のスクレッティング・ジャパンは、1997年にヤマハ・ニュートレコ・アクアテック(YNA)としてスタートしました。看板商品は「ビーンズ」という粗脂肪が豊富なブリのEP飼料でした。  この商品の誕生は業界に衝撃を与えました。高油脂飼料を製造できるメーカーが他になかったからです。2005年、社名を「スクレッティング」に変更。同年、キリンフィードを買収し、2008年には養魚用飼料の製造工場であるマリンネットを買収し、伊万里工場が誕生しました。

スクレッティングチャイナは2002年に設立された珠海石海飼料有限公司から始まりました。同社は2011年にニュートレコ社に買収され、中国養殖産業の発展における初の完全子会社となりました。2021年、スクレッティング (Wuxi) フィード㈱が設立され、スクレッティングの2番目の完全子会社となりました。2011年から2022年にかけて、スクレッティングチャイナは「農業産業化国家重点企業」の称号を繰り返し授与されました。現在、6つのエビ飼料生産ラインと3つのEP飼料生産ラインを有し、疾病モニタリングセンター、動物栄養研究センター、500エーカーの生態養殖研究基地などを備えています。

スクレッティングエクアドル社は、1990年にディアマサ社としてスタートしました。ティラピアの生産開始に伴い、エビ用EP飼料の開発と生産を専門とするヘシスという会社が設立されました。エクスパルサ社とヘシス社の両社が成長するにつれ、ニュートレコ社はエクアドル市場に参入する機会を見出し、2013年にこの2つの飼料事業の75%を買収しました。スクレッティングエクアドルは現在、エクアドルにおけるエビ用飼料のマーケットリーダーであり、ニュートレコの収益全体に大きく貢献しています。

2003年エクアドルマネジメントチーム
2003年エクアドルマネジメントチーム
スクレッティングエクアドル工場
スクレッティングエクアドル工場

次の125年とその先へ

スクレッティングは125年にわたり、その基盤を築いてきました。研究開発、栄養学、製造技術に継続的に多大な投資を行い、高度に専門化された能力を生み出してきました。私たちの伝統は、現在に見られる魚とエビの養殖の風景を形作ってきた重要な節目と共にあり、これからも絶えず進化し、栄養学の変化に適応していきます。私たちは単に飼料を製造するだけでなく、飼料添加物、魚やエビの健康製品、精密養殖のための統合されたソフトとハードのソリューションを併せ持ち、完全な栄養ソリューションを創造しています。

スクレッティングは、お客様のニーズを大切にする信頼できる企業として、またサステナブルな水産養殖の未来のための情熱的な提唱者として高い評価を得ています。1960年代にノルウェーで最初に生き残った2匹のマスは、当時6食分の食事に相当しました。今日では、60種以上の魚種に対応する飼料を生産する多国籍企業に成長し、世界中で毎日2,200万食を超える水産物の生産に貢献しています。スクレッティングはニュートレコの一員として、Feeding the Futureというパーパスを真剣に受け止めています。私たちは、次の125年、そしてその先もそうあり続けます。

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