食べ物は私たちが生きていく上で欠かせないもので、安定的にかつ回復可能な方法で消費者に提供していかなければならないものです
ジョセフスティグリッツ教授はAquaVisionで訴えます「私たちは地球の限界を知り尊重する必要がある」
ノルウェーのスタバンガ-で開催された スクレッティング主催第 14 回世界養殖ビジネス会議で基調講演を行ったノーベル賞受賞経済学者ジョセフ・スティグリッツ教授は、世界の食糧供給の主な供給源の一部はこの基本要件を満たしていない、と述べました。
「私たちは、より複雑な時代に突入し、安定性と回復力を達成することがより困難になってきています。したがって、これまで以上にリスク管理に焦点を当てる必要があります」。
スティグリッツ教授は、持続可能性と責任ある食糧生産の確立に関しても、現在では環境の限界が許す中で事業を行うことがより重要視されていると付け加えます。
「この数年、私たちは地球の限界(プラネタリーバウンダリー)をより強く意識するようになりました。私たちは地球に限りがあることを尊重し、共に生きることを学ばなければならないのです」と述べました。
この数年、私たちは地球の限界をより強く意識するようになりました。私たちは、それらを尊重し、共に生きていくことを学ばなければなりません。
新型コロナのパンデミックに続き、ウクライナ紛争が発生し、その結果、どこの市場でも食料価格が非常に高くなるなど、社会はかつてないほどの激動の中にあります。しかし、実際の食糧の供給については問題がないはずだとスティグリッツ教授は言います。
「ここ数十年、問題は供給過剰であり、米国やEUによる経済政策の主要な部分は、食糧の生産を抑制し、農家に栽培しないように仕向けることだった。」と述べ、「我々にはもっと多くの生産能力がある 」と付け加えました。
スティグリッツ教授はまた、食糧を持続的に生産しないことは、追加コストを伴う場合も含めて、経済的な影響をもたらすと主張しました。
「もし私たちが環境保護に取り組まなければ、気候変動に影響を及ぼし、食糧はより高価になるでしょう。私たちの社会は、いずれにせよその代償を払うことになるのです。私たちは早期に行動を起こし、何も行動を起こさない場合に起こりうることを防ぐ必要があるのです。」
また、食糧の生産と消費の形態だけでなく、食の分配に関しても深刻な問題があると警告しています。ヨーロッパやアメリカはより多くを生産できる可能性を持っているのに対し、アフリカは生産能力に問題を抱えることになる、と指摘しました。
どこに食糧が偏り、どこに人々がお金を払うことができるかが問題なのだ、と言います。
パンデミックに加え、このような食糧の値上げが重なった今にも、この2年以上に激動の時代がやってくると予想されます
また、短期的には市場の混乱がより大きくなる可能性があります。
「歴史的に、食糧不足と価格高騰は、予測不能な状態と政治的不安の増大を招いてきました。そして今この時、パンデミックの上にこのような食糧価格の上昇が重なれば、この2年間で経験したことよりもさらに激動になると予想されます。」
とはいえ、スティグリッツ教授は、長期的な食糧の未来については「非常に楽観的」であり、特に科学技術の大きな進歩がその理由です。
「再生可能エネルギーがそうであるように、食糧生産もまた、効率性の向上とともに、そうなっていくでしょう。」
「また、私たちが消費する食品にも重要な変化が起こるでしょう。私たちはその傾向を目の当たりにしています。例えば、私の生徒たちは、肉から魚へ、ベジタリアンやビーガンに移行しつつあります」と、彼は言います。